医療法人大和会西毛病院は、昭和41年に当時まだ精神科病院の整備されていなかった群馬県西部地域に精神科単科病院として開院され、以来半世紀にわたって地域の精神科医療に携わってきました。平成元年に地域の高齢者介護のニーズに応えるために富岡市岡本に老人保健施設(現在の介護老人保健施設)ミドルホーム富岡を開設し、平成11年には認知症および高齢者医療・介護に対応するために認知症療養病棟、医療療養病棟を増設、さらに平成19年には現在の本館を新設して入院療養環境を整備し、内科療養病棟、介護医療病棟を増床、認知症治療病棟を開設しました。
現在、世の中は急速な高齢化と認知症患者の増加がクローズアップされ、医療・介護のニーズは多様化しています。特に認知症については、生活に支障をおよぼす諸症状のために一般の高齢者施設やご家庭では対応が難しいケースが増えてきています。
当院では平成23年から群馬県より認知症疾患医療センターを委託され、認知症の相談窓口としての医療・介護のアドバイスを行い、認知症の啓蒙活動のために地域研修なども行っています。さらに平成26年以降、認知症専門外来、重度認知症患者デイケア「なのはな」を開設、平成28年からは近隣4市町村の委託を受けて認知症初期集中支援チームが活動を開始するなど、認知症があってもできるだけご本人やご家族が望む形で安心して暮らしていけるよう様々な支援を行っています。
認知症の方だけでなく、精神疾患を抱える方には、精神科デイケア・精神科訪問看護の拡充を行い、在宅生活を支えています。また医療・介護が必要な高齢者にはミドルホーム富岡の訪問リハビリでの「生活の場でのリハビリ」を通して身体機能の回復だけでなく「生きがい」につながる支援を行い、生活機能の向上につなげています。
このように、当法人の活動は、精神疾患や認知症患者、高齢者の方々の暮らしを支えるために、その時に必要とされる医療・介護を提供し、ご本人やご家族がより安心して安全に望む形で暮らしていただくことを目指しています。
そのために患者それぞれの背景や希望を十分理解し、安心・安全な医療・介護を提供できるように、職員全体が十分な研修を積める教育制度を作り、技術とホスピタリティーの向上、さらに人権を尊重した医療・介護に取り組んでいます。そして、当法人の理念にある「和」の心をもって、関係される皆様と協働して、地域の皆様の安心な暮らしを支えていきたいと考えております。
(たけだ しげとし)
西毛病院(せいもうびょういん)
理事長
医学博士
精神保健指定医
日本老年精神医学専門医・指導医
日本精神神経学会精神科専門医
認知症サポート医
日本医師会認定産業医
日本精神神経学会
日本老年精神医学会
日本老年医学会
日本認知症学会日本精神科医学会