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高齢期の医療・リハビリ・介護

尊厳を保つケアへ

高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となり、また高齢者となってからの人生も大変長くなりました。その長い高齢期において個人として尊重され、自分らしく過ごしたいという思いは、多くの人にとっての重要な課題ですが、このことは医療や介護が必要な高 齢者にとっても例外ではありません。
大和会では、患者さん一人一人が、自分の人生を可能な限り自分で決め、たとえ認知症になっても、可能な限り、その尊厳が保たれるケアの提供を目指しています。

高齢期の疾患

高齢者の疾患では、多臓器にわたる不全が認められることが多く、症状が非定型的で慢性化や機能障害につながりやすく、また合併症を併発しやすいといえます。そして社会的な要因や環境により症状が変動しやすいのも特徴です。
現在では医療技術の進歩により様々な疾患を早期に発見し治療できるようになりましたが、すべての疾患を完治に持っていくことが困難なことも多いことは事実です。高齢者の医療では、疾病を根治するのではなく、慢性疾患を持ちながら、自立した生活を維持することも大切です。

医療・リハビリテーション・介護の専門職連携

高齢者へのケアは医療ばかりではございません。リハビリテーションや介護サービスに対するニーズも存在しています。なので、高齢期のケアを提供するうえで最も重要な点は、医療、リハビリテーション、介護などを上手にリンクさせることです。また、これらを担う様々な専門職が職種間で協働・連携を図り、相互補完的に全人的ケアを行うことが大切です。
 当然、疾患の種類に応じて必要とされるケアの質は変化します。また急性期から亜急性期、回復期、慢性期(衰弱期、終末期を含む)へと高齢者の病態も変化しますが、病態変化につれても医療、リハビリ、介護の各必要度の割合が変わってきます。 つまり、高齢者のケアにおいては、疾患や病体に応じて個別的にケアの方法と連携のパターンを考えていくことが、ケアの質を高めるためには不可欠となります。

<高齢者の医療・介護における国の政策>

地域包括ケアシステム

地域包括ケアシステムとは、高齢者や障害者が“住み慣れた地域”で“自分らしい暮らし”を続けることができるよう、①医療 ②介護 ③予防 ④住まい ⑤生活支援 が“総合的”に提供される体制のことです。国の医療・保険政策では、いわゆる「団塊の世代」と呼ばれる方々が75 歳以上となり、超高齢社会を迎える2025年までには、ある一定の形が完成されることとなっています。この目標に伴い、政府や各関係機関では新たな法整備や体制づくりが進んでいくこととなります。

<西毛病院における医療・介護への取り組み>

当会では、これまで慢性期の医療・リハビリ・介護に取り組んでまいりました。現在、西毛病院では、主に高齢者を対象とした医療として、

  • 認知症治療病棟50床(本館3階、精神科)
  • 医療療養病棟50床(本館4階、内科、在宅復帰機能強化加算届出あり)
  • 介護医療院150定員(本館5階6階7階 病院内施設)

を運営しております。
また、入院医療・入所サービスのみならず、在宅で生活する高齢者や障害のある方に
対する支援を強化するために、平成26年度には「在宅医療連携センター」を立ち上げて組織改編を行い、「重度認知症疾患デイケア」などの新しい取り組みも始めました。
地域の高齢者に何を求められているのかを常に考え、今後さらに社会貢献をしていける病院を目指して、専門知識・技術の向上のための努力をしていく所存です。